maurumx’s blog

好きなマンガ、ライトノベル、小説、一般書、ラグビーについての感想を書いていきます。

へうげもの 7巻 感想

へうげもの 7巻 モーニングKC 講談社

 

主人公は佐介こと古田織部、一部のものから古織(ふるおり)と呼ばれています。


小田原攻めで関東を征した秀吉のもとに、伊達政宗が遅れながらも参上します。政宗が秀吉の元に来たことで東北も秀吉の支配となりました。次は朝鮮・中国へ進出するため、日本国内統治のため、武将の配置換えを秀吉は行っていきます。

気に入っている場面ですが、山上宗二と利休の会話です。宗二は「他人の好みを辛く評することで、自分を高見に置き満足していた」、しかし「好みと好みがぶつかり合い、そこから生ずる新しい価値」に気づいたと利休に話します。利休も自分も同じであり、これから真のわび数寄を育んでいこうと話しあいます。「好みと好みがぶつかり合い、そこから生ずる新しい価値」は哲学でいうと弁証法と同じでしょうか。

そんな山上宗二の死を聞かされた時の利休の表情がすごかったです。驚き、悲しみ、喪失感など悲哀の感情を全て含んだ画で表現されています。

それと、織田長益もよかったです。長益は仕えている織田信雄に対する秀吉の領地替え命令に従うよう茶々より説得されます。長益は「俺は堅苦しきが最も嫌いだと気付いたのだ」「型を貫くは己も他者をも苦しめたるに似たり」と言葉を残し茶々の元を去ります。長益の数寄なのですね。かっこいいです。

今回も面白かったです。

夢の守り人 読書 感想

夢の守り人 上橋菜穂子 新潮文庫

守り人シリーズの3作目です。

今回は異なる世界(花の世界)とこちらの世界とのかかわりの話です。登場人物は女用心棒のバルサバルサの幼馴染のタンダ、タンダの師匠であり呪術師のトロガイです。今回の主人公はタンダとトロガイと思いました。
タンダやカヤや他の人々を助けるためにトロガイやバルサ、チャグム助けるお話です。

バルサは奴隷狩人に追われているユグノを助けます。このころ、夢から覚めない人たちがいろいろなところに発生しており、問題となっていました。夢から目覚めない人の中には新ヨゴ皇国の第一王妃、皇太子チャグム(一作目の重要人物)、タンダの姪のカヤがいました。タンダはカヤを診たところ魂が抜けている状態でした。タンダはカヤを助けるために術を使い自ら魂となって、カヤの魂をさがします。そこは鼻の世界でした。そこでチャグムと会い、チャグムをもとの世界に戻したところで、花の世界にとらわれてしまいます。

今回も面白く一気に読めました。読んでて気づいたのですが、以前読んだ1作目と2作目の内容はほとんど覚えていないことがわかりました。自分の記憶力が残念です。ですが、読み返すとまた楽しめそうです。何回も楽しめるのでしたら、忘れていることもいいことかもと思いました。

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する 第319~320話 感想

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する 第319~320話 すずの木くろ 「小説を読もう!」より


アルカディアとクレイラッツがムディアを攻略したことを知った周辺国は、様子見を止めて、バルベールに攻め込むことを決めます。

体の弱いフィレクシアは体調を崩しますが、秘薬としてリポDを飲むと元気いっぱいになります。
この病気は何なのでしょうか。治らない病気っぽいですが、体力が上がることで、免疫力が上がり、病気に打ち勝つのでしょうか。後日、この病気の話もありそうですね。

カイレンたちバルベール軍はムディアにたどり着きますが、すでに占領されており、愕然とします。
アルカディア軍とバルベール軍は交渉することになります。交渉はジルコニアが自ら行うことにします。フィレクシアやティティスを連れて、交渉の場に向かいます。

交渉はどのようにすすむのでしょうか。
続きを読んでいこうと思います。

紅霞後宮物語 第零幕 三、二人の過誤 読書 感想

紅霞後宮物語 第零幕 三、二人の過誤 雪村花菜 富士見L文庫

 

 主人公は関小玉(しょうぎょく)。前巻では武官に文林が加わります。文林とは、配属当初は合わなかったのですが、次第にお互い認め合っていきました。

 この巻では、皇帝の娘の警護担当、皇帝の死去による影響で地方への左遷、左遷先から呼び戻されるまでが描かれています。

 

 小玉が異動が多かった理由がわかります。男前の理由でした。それを知った文林も動き出したようです。そこは、私的にこの巻の読みどころだと思いました。

また、小玉の初恋の人も出てきます。

 

 文林と泰の会話で「私はね、誰かがなにをやったとしても、誰かの益になり、別の誰かの不利益になると思っています。特にこういう業界ではね。ならば自分にとってより大事な人の益になるよう動いた方がいいのではないかとも」と秦が言います。「誰かの益になり、別の誰かの不利益になる」ということは世の中にありそう、あるなぁと思いました。世の中の真理(的なこと)を言葉にして気づかせてくれる言葉でした。でも、泰って誰だっけと思い出せないキャラでした。

 

 面白かったです。続きを読んでいこうと思います。

へうげもの 読書 6巻 感想

へうげもの 6巻 モーニングKC 講談社

主人公は佐介こと古田織部、古織(ふるおり)と呼ばれています。

話題
大茶湯から小田原攻めが始まるまでです。
秀吉は大茶湯(大規模な茶会)で利休の代わりになる茶頭を探していた。
古織はかなり気合がはいります。しかし、古織は茶頭にはなれず、しかも利休からは「未熟」と評されます。
古織には何かしらのことで、天下の第一人者になりたいと思っており、茶の世界で、その地位に就きたいと思っていた。利休に「未熟」と評されたことで茶の世界は諦め、別のことで第一人者となろうと茶以外の何かを探しだす。
古織は新しく興味をもてることを探し回りますが、茶ほど興味はもてませんでした。この新しい趣味というか何かを探すことを「物欲し探訪」と古織は言っています。この「物欲し探訪」を古織は楽しそうに、いろいろなところを見て回ります。このさまが、人生を楽しんでいるようにみえます。楽しむために行動的になれるのはいいですよね。

この他、この巻では、古織と利休の対話、利休と丿貫の会話が見どころと思います。
次は小田原城攻めだと思いますが、どんな話があるのでしょうか?伊達政宗あたりが登場するのでしょうか?
次回も楽しみです。

ザ・ゴール コミック版 読書 感想

ザ・ゴール コミック版 エリヤフ・ゴールドラット ,ジェフ・コックス 、ダイヤモンド社

工場長の新城吾郎は3か月以内に赤字の工場を立ち直らせないと工場は閉鎖になることを告げられます。
工場が立ち直るプロセスを通じて、制約理論を学ぶお話です。
制約理論は、工場の各作業において、効率が悪い作業を効率的に活用できるようにするかを考える。それは、各作業単独だけでなく全体の中の流れとしても考えていくことだと理解しました。
自信はありませんが、こういった理解であっているのでしょうか?

コミックはわかりやすかったです。でも、難しい言葉がいくつもありました。「スループット」「バッファー」「リソース」「ロープ」です。
スループット」は「販売を通じてお金を作り出す割合のこと」と説明されていましたがなんだかよくわからないです。“売り上げ”と置き換えたら、意味が通じるとおもいましたので自分の中では“売り上げ”としました。
「バッファー」は説明がなかった(気づかなかった)ので、“時間のゆとりや余裕”としました。
「リソース」も説明はなかったので、ネットで調べたところ、“人材と機械などの設備”という解説があり、ピンときました。
「ロープ」はよくわかりません。ネットでも腑に落ちる説明は見当たらなかったです。どなたか教えてもらいたい言葉です。

わかりやすく工場の物語形式でしたが、工場以外でも当てはまると思いました。本中に制約になったことは、「悪ではない。現実なんだ」とあります。現実にあることなので、どう活用するかですよね。でも、頭の中では「悪」もあるのではと考えてしまいました。

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する 第317~318話 感想

宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する 第317~318話 すずの木くろ 「小説を読もう!」より

 

アルカディアには神の援助があることをフィレクシアとティティスにわからせるために、あれこれするお話です。現代戦の映像を見せたり、ティタニアによるオルマシオール神として顕現したり、マリーの身体能力をみせ、この世界にはない防犯ブザーやサイリウムを見せます。

この頃、アイザックはムディア陥落の密書をプロティア王国に届けます。その後、同盟国のエルタイルに向かいます。
夜営での食事で、カズラの用意した食事の美味しさにクレイラッツ軍の軍団長たちも驚きます。ミクレムとサッコルトも賑やかに食べていますが、二人がいつものように賑やかになりすぎると、ルグロがうまく話の方向性を変えていきます。この手腕は素晴らしいと思います。会話をこんなふうに回し、場の雰囲気を調整できたらいいですね。特に上に立つものが持っていて欲しい能力です。

他、フィレクシアが体調を崩したフィレクシアにリポDを飲ませるお話とカズラがみんなで日本に行ける方法があるかもとつぶやいてしまったお話でした。