失敗学実践講義 だから失敗は繰り返される
失敗学実践講義 だから失敗は繰り返される 畑村洋太郎 講談社
失敗を分析して、同じ失敗を起こさないように、起きてしまっても被害が少なくなるように行動しようという本です。
学ぶべきことが各事例の表題となっています。原因、結果、行動を検討しています。
第1講 想定され得ることは必ず起こる(六本木ヒルズの大型回転ドア事故)
第2講 人の注意力には限界がある(日本航空の連続トラブル)
第3講 追いつかなかった企業改革のスピード(JR福知山線脱線事故)
第4講 ゼロからつくり直すことの大切さ(金融システムの失敗)
第5講 見たくないものは見えない(リコール隠し)
第6講 起こる前に起こった後のことを考える(火災に学ぶ)
第7講 それぞれの立場から見える風景(JCO臨界事故)
第8講 トップの孤独(ロケットの打ち上げ失敗)
第9講 「現地」「現物」「現人」が理解の基本(JR羽越線脱線事故)
どれも興味深い内容です。
特に気になった内容は、
「もともと「利便」と「危険」は表裏一体のものです。「サービス」の名のもとに利用者が求めるわがままを優先すると、必ず危険が顔を出します。そのせめぎあいの部分で事故が起こるのです。今はサービスを提供する側も受ける側も何が最も大切かを見失っている印象を受けます。今後の事故は、おそらく利便を追求することによって起こるという形のものが大半を占めると私は見ています。」(引用)
のところです。“「サービス」の名のもとに利用者が求めるわがままを優先すると”は最近聞くようになった「カスタマーハラスメント」につながっていくのだろうと思いました。