maurumx’s blog

好きなマンガ、ライトノベル、小説、一般書、ラグビーについての感想を書いていきます。

帳簿の世界史 読書 感想

帳簿の世界史 ジェイコブ・ソール 文藝春秋

 

複式簿記すごい。監査法人どこまで信用できるのと思った本でした。前提として、正しく帳簿をつけているかどうかですが。

 

特に、ルイ14世からフランス革命の話、国家財政の破綻がフランス革命につながっていく過程が面白かったです。帳簿(複式簿記)を誰も理解していなく、徴税する者も不正をして、改革をしようとする者が現れても、既得権益のある貴族が邪魔をする。政治論争となり国王への会計報告を公表する者が現れ、その報告を見た民衆が、宮廷費の莫大な金額に怒り、フランス革命に至ったとありました。学校の授業やアニメの「ベルサイユのばら」で流れは知っていましたが、財政の管理の視点で見るのも面白いですね。

 

1929年からの世界恐慌についても、財務状況を正しく公開していない企業(水増しバランスシートの産物で、実態以上に株価が上がっていた)ばかりで、実態以上に株価が上がっていたため暴落となったようです。興味深く思いました。

 

他にも、印象深い話がいくつもありました。

会計の公表は、正しく実態を公表しようと思う事業体やそれを監査する人の意思しだいですが、強い倫理観が必要と思いました。

日本の江戸時代や現代の会計の実態はどうなのか興味が出てきました。