ハケンアニメ 読書 感想
ハケンは“派遣”で、アニメは派遣社員が多くかかわっており、その派遣社員のお話だと思っていました。そうではなく、ハケンはこっちの“覇権”でした。
ハケンアニメは1クールでDVDやBDが1番売れたアニメのことです。この本は二人の監督、王子千晴と斉藤瞳、人気アニメーターの並澤和奈を中心とした3つのお話です。
3つの話はつながっており、それぞれ楽しく読めます。アニメ制作の一部が垣間見えた気がします。
アニメは深夜に放送が多くなっており、製作費は少ないと思っていました。DVDなどの映像商品やキャラクター商品で製作費をまかなっていたんですね。
業界で働く方の賃金が安いと、テレビやネットなどで見たことがありましたが、アニメーターの1原画が平均250円とありました。1日三枚、月何枚かけるかわかりませんが、安いですね。
本当なのという話で、コスプレまがいの格好でオーディションに参加する声優の話がありました。
“そうだな”と思えたことですが、「そういうことができる人たちが羨ましい反面、疎ましい。その生活感、リアル充実感。迷いなく、先に進める人生。羨ましく、疎ましく、そして、本音を言えば、昔から、ちょっと怖い。自分が、そういう世界から弾かれてることの自覚は充分だ」というシーンがありました。私は普通に生活していると思うのですが、孤独を感じたり・世の中とずれて感じることがあります。そんな思いを表してくれている表現だと思いました。
とても面白く、アニメに興味がない方も楽しく読める本だと思いました。