maurumx’s blog

好きなマンガ、ライトノベル、小説、一般書、ラグビーについての感想を書いていきます。

コンテナ物語

コンテナ物語 日経BP社 マルク・レビンソン
 
ひろゆき”のyoutubeで面白いと紹介されていましたので読んでみました。
 
内容はコンテナの出現で港での働き方、物流コストが削減されたことによる経済の影響についてです。コンテナの出現の影響を、コンテナに早い時期に目をつけたマルクス・マクリーンの海運業での活躍と合わせて書かれています。
港での働き方は、港湾労働者たちが組合を作り、組合員以外の港湾労働を排除していたため、船荷の積み下ろしに絶大な影響がありました。コンテナの導入は港湾労働者にとっては、少人数の作業が可能になり、それは仕事量の減少になるので許すことはできないものでした。こうした港湾労働者の抵抗、港の関係者の既得権でコンテナは扱いづらいものでした。しかし、コンテナの運搬量の多さ、港湾労働者の影響の少なかった港で扱うようになり、その便利さ・運搬量の多さにコンテナの導入・港湾労働者も認めざるを得ないものになりました。
物流コストの減少は、港湾労働者の利用が少人数になること、大量に運べること、積み下ろし時間の短縮による運搬回数を増やすことになります。そして、運搬時間の短縮は商業圏の拡大を意味し、新たな利用者を生み出します。製造業は、人件費・運搬費を含めた安い国で作ることになります。
とても興味深かったです。
他にも、コンテナのベトナム戦争の話、マルクス・マクリーンの浮沈、コンテナが起こしている社会問題の話がありました。社会問題は、コンテナの放置、ディーゼル燃料で動くコンテナ船やトラックの環境問題、コンテナに放射性物質を詰めた「汚い核爆弾」、コンテナにマットと簡易便器をつけた密入国の輸送手段としてつかわれたことなどです。
ひろゆき”さんが言っていたように面白い本でした。