maurumx’s blog

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ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか 読書 感想

ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか 熊谷徹 青春出版社

 

生活の豊かさについて、著者が在住しているドイツを参考に考える本です。

 

ドイツの国民は「自分の生活に満足していますか」の調査に対し、93%の人が「非常に満足している」もしくは「かなり満足している」と答えた。

時間的なゆとりという面では、2016年の調査で90.7%が「現在の労働時間に満足している」とドイツでは答えた。これに対し日本の内閣府世論調査によると「生活の中で時間のゆとりがある」と答えた日本人は68.6%と紹介しています。

 

ドイツ人が生活の満足度や時間のゆとりを感じている要因として、個人主義で他人を気にせず、他人に期待しないことをあげています。

著者は、日本人は他人を気にしすぎて、効率的な仕事ができないと言っています。その例として、過剰な接客サービスや包装で、その分だけコストと手間がかかり、コストがかかっても、商品の値段には反映しづらいので、低賃金や効率的でない労働(長時間労働)になっているのだと指摘しています。

私も、過剰なサービスが普通になりすぎて、サービスを受ける側もそれが当然と考えていると感じます。過剰なサービスが当然と「カスタマーハラスメント」といわれるハラスメント問題にまでなったと思います。

著者は、「日本で店員さんの丁重なサービスを見ていると、こういう期待感を持つ客を怒らせたくないという恐れを感じられる」と指摘しています。これは、まったくそのとおりだと思います。サービスの提供者と利用者の関係で利用者の権利意識が強くなりすぎている気がします。ほどほどの関係がいいんでしょうね。

 

ドイツ人の環境に対する考え方についても教えてくれます。ドイツは原発を無くし、ロシアの石油やガスに頼っています。ウクライナとの戦争でこのことにも影響はあるのでしょうか。

 

ドイツ人の考え方がわかる本でした。